本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

デスクでノートパソコンを開き、領収書を手に経理作業をするひとり法人の経営者のイラスト

「法人を作ったのはいいけれど、経理って何をすればいいの?」——私も最初はその状態でした。

  • 帳簿はどのソフトで何を入力すればいいのか、分からない
  • 領収書はとりあえず貯めているが、整理の仕方が分からない
  • 電子帳簿保存法・開業費など、言葉は聞いたことがあるが自分に関係するか分からない

この記事では、合同会社を2026年3月に設立した私が、1期目の経理で実際にやっている仕組み6つを全部解説します。

簿記の知識がゼロでも、6つの仕組みを最初に整えれば回せます。教科書的な一般論ではなく、ひとり法人が現実に回している運用だけを書きます。

この記事の前提(誰が書いているか)

会社の形 合同会社 2026年3月設立 体制 代表ひとり 経理も自分で担当 事業 Amazon物販 ネット販売が主軸 販売開始 2026年6月 設立から約3か月後

前提が違うと参考になりませんので、先にうちの会社の条件を書いておきます。

  • 合同会社(2026年3月2日設立)・代表ひとりの会社
  • 事業はAmazon物販が主軸。販売開始は設立から約3か月後の2026年6月
  • 経理の担当者はいません。代表の私が自分でやっています
  • 消費税のインボイス(適格請求書発行事業者の登録)は登録していません。1期目は免税事業者の要件を満たしたためです。インボイス登録は事業の内容や取引先によって正解が変わります。税務署や税理士への確認をおすすめします。判断の実録は「法人1期目は消費税が免税?インボイス登録するかの判断実録」に書いています

始める前に知ってほしい3つの現実

経理の話に入る前に、これから物販と法人経営を始める方へ伝えておきたいことが3つあります。

1. 「月商」は当てにならない

物販の世界では「月商100万円」のような言葉をよく見かけます。月商とは「1か月の売上の合計」のことです。売上から仕入れ代金・Amazonに払う手数料・送料・広告費が引かれます。月商100万円でも、手元に残る利益が数万円ということは普通にあります。私自身、利益が数万円だった月を経験しました。

「月商100万円」の中身のイメージ 仕入れ代金 Amazonの手数料 送料・広告費 残る 利益 手元に残るのはここだけ
※比率は説明のためのイメージです。実際の数字は商品や売り方によって変わります。

だからこのブログでは、売上の大きさではなく「経費を引いた後に残る利益(営業利益)」でしか実績を語りません。月商の数字に夢を見ないことが、最初の現実です。

2. 経理は「あとでまとめてやろう」が一番危ない

領収書をためてから一気に処理しようとすると、「これ何の支払いだっけ?」が大量に発生して、確実に心が折れます。後で書きますが、私はためない仕組みを作ることに一番力を入れています。

3. 「簡単に稼げる」情報を信じない

動画サイトなどには「物販は簡単に稼げる」という情報があふれています。しかし実際には、商品を売る許可が下りないことも、仕入れても利益が出ないことも普通です。経理は、許可が下りない・利益が出ないといった現実を毎月数字で突きつけてくる作業でもあります。だからこそ、経理を正確に記録しておく価値があります。

1期目の経理は何をする?やることの全体像(6つ)

1 会計ソフトで帳簿 弥生会計 Next 2 領収書の電子保存 弥生証憑 Next 3 ためない仕組み 週1回の整理ルール 4 開業費の整理 販売開始前の支出 5 法人口座 会社と個人を分ける 6 売上の記帳 月1回まとめて

うちの会社の経理は、次の6つでできています。それぞれこの後のセクションで説明します。

  1. 会計ソフトで帳簿をつける(弥生会計 Next)
  2. 領収書・請求書を電子帳簿保存法に合わせて保存する(弥生証憑 Next)
  3. 領収書をためない週1回の整理ルール
  4. 販売開始前の支出を「開業費」として整理する
  5. 法人口座を作って、お金の流れを会社と個人で分ける
  6. Amazonの売上を月1回まとめて帳簿に載せる

1. 会計ソフトで帳簿をつける(弥生会計 Next)

入力するのは4つ 日付・金額 相手先・費目 会計ソフト 複式簿記の帳簿に 自動で変換 決算の準備 必要な書類のもとが できあがる

帳簿(お金の出入りの記録)は、弥生会計 Nextというクラウド型(ネット上にデータが保存される仕組み)の会計ソフトでつけています。プランはベーシック。

法人の帳簿は「複式簿記(お金の動きを2つの視点で記録する方法)」という形式で作ります。手書きや表計算ソフトだけで正しく作るのは、現実的ではありません。会計ソフトを使えば、日付・金額・相手先・費目(何のための支出かの分類)を入力するだけ。決算に必要な書類のもとが、自動でできあがります。簿記ゼロで始めましたが、入力自体は1日で覚えられました。

実際の使い勝手やつまずいた点は「弥生会計 Nextの使い方・評判|法人1期目が記帳を回した実録レビュー」に書きました。

2. 領収書・請求書の保存(弥生証憑 Next・電子帳簿保存法)

メールで届いた 請求書のPDF スマホで撮った 領収書の写真 弥生証憑 Next に登録する 電子のまま保存 法律のルールに対応

2024年から「電子帳簿保存法」という法律のルールが本格化しました。メールやネットで受け取った請求書・領収書は、紙に印刷して保存するだけではダメです。決められた方法で電子のまま保存する必要があります。

うちでは弥生証憑 Next(しょうひょう=領収書や請求書などの証拠書類のこと)を使っています。受け取ったPDFやスマホで撮った領収書の写真を登録します。会計ソフトと同じ弥生のサービスなので、操作に迷いにくい点が決め手でした。

対応の手順は「弥生証憑 Nextの使い方|法人1期目の電子帳簿保存法対応を実録解説」に書きました。

3. 領収書をためない週1回の整理ルール

支払いが発生 レシート・PDF フォルダーに 入れるだけ その場の作業はこれだけ 週1回 まとめて整理 仕訳の下書きを作る ソフトに入力 +電子保存 弥生の2サービスへ 毎週このサイクルをくり返す(ためない)

経理で一番大事なのは、ソフト選びよりも「ためない仕組み」です。うちの運用は次のとおりです。

  • 支払いをしたら、領収書のPDFやスマホ写真を決めた1つのフォルダーに入れるだけ。その場での作業はそれだけです
  • ファイル名は「日付+お店の名前」にしておくと、後の整理が速くなります(例:2026-05-23_◯◯商店.pdf)
  • 週に1回、曜日を決めてたまった分をまとめて整理し、「いつ・どこに・いくら・何のため」のメモ(仕訳の下書き)を作ります
  • そのメモをもとに作業します。会計ソフトへの入力と弥生証憑 Nextへの登録の2つです

ポイントは「支払った瞬間にやることを、フォルダーに入れる1動作だけにする」ことです。整理を週1回に固定すると、月末に領収書の山と向き合わずに済みます。

整理の詳細なやり方と実際の運用ルールは「領収書・請求書の管理方法|法人1期目の「ためない」整理ルール実録」に書きました。

カレンダーに印をつけた部屋で、フォルダーにためた領収書を週1回まとめて整理している場面のイラスト

4. 販売開始前の支出は「開業費」として整理する

2026年3月 会社設立 2026年6月 販売開始 約3か月の準備期間にも支出は続く 「開業費」としてまとめる 費用にする年度を後から選べる(繰延資産)

会社を作ってから実際に売上が立つまでの間にも、お金はどんどん出ていきます。うちの場合、2026年3月の設立から6月の販売開始まで、約3か月の準備期間がありました。

準備期間の支出は、「開業費」としてまとめて整理しています。開業費は普通の経費と違って「繰延資産(くりのべしさん)」という扱いになります。費用にするタイミングを後から選べるのが特徴です(利益が出た年度に費用化して、税金の負担を調整できる)。1期目は赤字になりやすい時期です。この仕組みを知らないと、使えるはずの税負担調整の機会を逃します。

何を開業費にできるかの最終判断は税理士への確認が前提です。私は「販売開始前の準備の支出は開業費の候補としてまとめておく」という整理をしています。実際に計上したものの詳細は「開業費と創立費の違いは?法人1期目に何を入れたか実録で解説」に書きました。

5. 法人口座を作って、お金の流れを会社と個人で分ける

会社のお金 法人口座(信用金庫で開設) 会社の支払い・入金はここを通す 個人のお金 代表個人の口座・財布 原則ここからは払わない 立て替えたら「立替金」として記録し、後から会社の口座から精算

法人の経理は、会社のお金と個人のお金が混ざると一気に難しくなります。設立後、私は信用金庫で法人口座を開設しました。会社の支払い・入金は、できる限り法人口座を通すようにしています。

とはいえ立ち上げ期は、法人カードがまだない・口座開設前の支払いがあるなど、個人のお金で立て替える場面がどうしても出ます。そのときは「立替金」として記録しておき、後から会社の口座から精算します。帳簿の上で会社と個人を区別するためです。精算の具体的な手順は「会社と個人のお金を分ける方法|法人の立替経費精算の実録」に書きました。

法人口座の開設手順・必要書類・審査でどこが詰まったかは「合同会社の法人口座開設の実録|審査でどこが詰まるかを1期目が解説」に書きました。

銀行の窓口で通帳を受け取る経営者のイラスト。法人口座を開設してお金の流れを会社と個人で分ける

6. Amazonの売上は月1回まとめて帳簿に載せる

売上 商品が売れた金額 Amazonの手数料 販売手数料・配送代行など 入金額 口座に入るお金 入金額だけを帳簿につけると、売上と手数料の実態が見えなくなる だから月1回、レポートを見て「売上・手数料・入金」に分けて記帳

Amazonで商品が売れると、売上からAmazonの手数料が引かれた金額が、後日まとめて入金されます。つまり「入金額=売上」ではありません。入金額だけを記録すると、売上と手数料の実態が分からなくなります。

そこでうちでは、月に1回、Amazonのセラー向け管理画面(セラーセントラル)から月次レポートをダウンロードします。「売上はいくら・手数料はいくら・入金はいくら」を分けて帳簿に載せる運用です。月1回と決めているのは、注文1件ずつ記帳するのはひとり法人では現実的ではないからです。この方法も税理士に確認しながら整えています。

ノートパソコンの売上レポートを見ながら月1回の帳簿づけをしている経営者のイラスト

まとめ:仕組みを先に作れば、経理は怖くない

仕組みがないと 月末に領収書の山と向き合う 「これ何の支払い?」が大量発生 仕組み化 仕組みを先に作ると その場はフォルダーに入れるだけ 週1回の整理だけで回る

1期目の経理でやっていることを並べると、次の6つでした。

  • 会計ソフト(弥生会計 Next)で帳簿をつける
  • 領収書・請求書は弥生証憑 Nextに電子保存する
  • 領収書は「フォルダーに入れるだけ→週1回整理」でためない
  • 販売開始前の支出は開業費として整理する
  • 法人口座でお金の流れを会社と個人で分ける
  • Amazonの売上は月1回レポートから記帳する

特別な知識がなくても、「ためない仕組み」と「迷ったら専門家に確認する」の2つを守れば回せます。これから法人で物販を始める方は、売上が立つ前のいまのうちに、この仕組みを先に作っておくことをおすすめします。

各項目の詳細はこちらの記事に書いています。

関連記事 弥生会計 Nextの使い方・評判|法人1期目が記帳を回した実録レビュー 選んだ理由・最初の設定・ふだんの使い方・つまずいた点まで実録で解説。 関連記事 弥生証憑 Nextの使い方|法人1期目の電子帳簿保存法対応を実録解説 PDF請求書・紙の領収書それぞれの電子保存手順をフローつきで解説。 関連記事 領収書・請求書の管理方法|法人1期目の「ためない」整理ルール実録 週1回の整理ルールの作り方と、1か月ためてしまった失敗談も。 関連記事 開業費と創立費の違いは?法人1期目に何を入れたか実録で解説 実際に計上したもの全公開。繰延資産の処理・弥生での入力まで。 関連記事 合同会社の法人口座開設の実録|審査でどこが詰まるかを1期目が解説 信用金庫での開設実録。必要書類・審査でつまずいた点まで。 関連記事 会社と個人のお金を分ける方法|法人の立替経費精算の実録 個人立替の記録から精算までの流れを弥生会計の仕訳つきで解説。 関連記事 自宅オフィスの家事按分のやり方|地代家賃・通信費の実録【法人1期目】 家賃・通信費の按分割合の決め方と弥生会計での記録手順を実録解説。 関連記事 法人1期目は消費税が免税?インボイス登録するかの判断実録 免税の条件・インボイス登録する/しないの判断軸を実録で解説。 関連記事 会社ホームページをXserverで自作した話|CMSなし構成の費用と手順【実録】 WordPressを使わずXserverで会社HPを自作した実録。初年度費用・制作の流れを解説。

執筆:モグラ(合同会社ユーノア代表)
2025年1月から企業のAmazon物販の立ち上げ・運営に従事し、営業利益ベースで月50〜60万円の規模まで成長(継続中)。現在は自社でも合同会社を設立し、物販事業を運営。

← ブログ一覧へ戻る