法人を設立したばかりで、こんな悩みはありませんか。

  • 「消費税は今すぐ払わないといけないの?」
  • 「インボイス登録しないと取引できないの?」
  • 「登録しないとまずいのかどうかがわからない」

結論から言うと、法人1期目は原則として消費税の免税事業者になりやすく、BtoC(個人消費者向け)の事業なら急いでインボイス登録しないケースが多いです。うちもこの判断を税理士に確認し、1期目は未登録で通しました。

この記事では、私(合同会社ユーノア代表・2026年3月設立)が1期目の消費税とインボイス登録についてどう判断したかを実録でまとめます。次の3点がわかります。

  • 法人1期目が免税事業者(消費税の納税が免除される事業者)になりやすい理由
  • インボイス(適格請求書)を登録する/しないの判断軸
  • うちが「登録しない」を選んだ理由と弥生会計での設定方法

大前提として、この記事は私の実体験であり税務アドバイスではありません。消費税・インボイスの判断は会社の状況によって大きく変わります。必ず担当の税理士に確認してから決めてください。経理全体の流れは「合同会社1期目の経理のやり方|実際にやっていること全部」にまとめています。

法人1期目が消費税の「免税事業者」になりやすい理由

消費税の納税義務が生じる基本ルール 「基準期間(通常2期前)の課税売上高が 1,000万円超」の事業者は消費税を納める義務がある 法人1期目 基準期間がない → 原則:免税 例外(1期目から課税になるケース) 資本金1,000万円以上 など → 必ず税理士に確認

消費税は「売上が一定額を超えた事業者が納める税金」です。具体的には基準期間(通常は2期前の事業年度)の課税売上高(消費税が課税される売上の合計)が1,000万円を超えた場合です。超えた翌々年度から、消費税の納税義務が生じます。

法人1期目には「2期前の実績」がそもそも存在しません。そのため1期目は原則として免税事業者になるケースが多いです。うちも2026年3月に合同会社を設立し、税理士に確認の上で1期目は免税事業者という判断になりました。

ただし、設立時の資本金が1,000万円以上の場合など、1期目でも課税事業者になる例外があります。この部分は会社の設立状況によって変わるため、必ず担当の税理士に確認してください。

インボイス(適格請求書)の登録とは何か

インボイス登録「する」場合 適格請求書発行事業者になる → 取引先が仕入税額控除を受けられる インボイス登録「しない」場合 免税事業者のまま(条件を満たせば) → 取引先は仕入税額控除を受けられない 注意:インボイス登録すると課税事業者になる 免税事業者がインボイス登録すると、自動的に課税事業者になり消費税の納税義務が発生する (1期目に登録することで免税のメリットが消える可能性があるため、判断は慎重に)

インボイス(正式名称:適格請求書)とは、消費税の計算に使う一定の記載事項を満たした書類のことです。インボイス制度(2023年10月〜)のもとでは、取引先の事業者が支払った消費税を自分の消費税から差し引く(仕入税額控除)には、インボイス発行事業者からの請求書が必要になります。

インボイスを発行するには「適格請求書発行事業者」として税務署に登録する必要があります。ここで重要なのが、インボイス登録をすると、免税事業者でも課税事業者になるという点です。1期目に登録してしまうと、免税のメリットがなくなります。消費税の納税義務が発生します。

うちが「インボイス登録しない」を選んだ理由(実録)

BtoB(取引先が法人・事業者) 取引先がインボイスを必要とする → 登録しないとビジネスに影響が出やすい (相手が消費税を多く納める負担が生じる) 登録を検討する価値が高い BtoC(取引先が個人消費者) 個人はインボイスを使わない → 登録しなくてもビジネスへの影響は小さい (うちのAmazon物販はここに当てはまる) 急いで登録しなくてよいケースが多い

うちの事業はAmazon物販(Amazonを通じてお客さんに商品を売る)が主軸です。Amazon経由でものを買うのは個人のお客さん——つまりBtoC(法人ではなく個人消費者への販売)が中心です。

個人のお客さんは、インボイスを使って自分の消費税を計算する(仕入税額控除)という手続きをしません。そのため、うちがインボイスを発行できない免税事業者であっても、取引先(個人客)への実害がほぼない状況でした。

一方、インボイス登録してしまうと1期目から消費税の納税義務が発生します。1期目の収支への影響を考えると、これは避けたい。この判断を税理士に確認したところ、現状では「登録しない」が適切との見解をもらいました。

これはあくまでうちの状況での判断です。取引先に法人・事業者が多いBtoBの事業では、登録しないとビジネスに影響が出るケースがあります。

「登録する/しない」の判断フロー

取引先は誰? 法人・事業者が多い 個人消費者が多い 登録を検討する価値が高い 登録しないと相手の消費税負担が増える 可能性があるため、ビジネスへの影響を確認 急いで登録しなくてよいことが多い 個人はインボイスを使わないため 相手への影響が小さい どちらの場合も必ず税理士に確認すること

インボイス登録を検討するときの大まかな判断軸は「誰に売っているか」です。

  • 取引先が法人・個人事業主(BtoB)中心の場合:取引先がインボイスを必要とするため、登録しないとビジネスへの影響が出やすいです。税理士と相談しながら、登録を前向きに検討する価値があります
  • 取引先が個人消費者(BtoC)中心の場合:個人はインボイスを使って税額控除を行わないため、登録しなくても取引先への影響が小さいことが多いです。うちはこちらです

ただし、事業の実態は会社によって異なります。「うちはBtoCだから登録しなくていい」と自己判断せず、必ず税理士に確認してから最終決定してください。

弥生会計での税区分の設定(免税事業者の場合)

弥生会計の税区分(免税事業者の場合の考え方) うちの設定方針(税理士確認済み) 基本の税区分:「対象外」を選択 免税事業者は消費税を納めないため 「対象外」で処理するのが基本(うちの場合) 注意点 費目・取引内容によって変わる場合がある 必ず税理士に確認して方針を決めること 自己判断で全部「対象外」にしない

弥生会計 Nextで仕訳を入力するとき、税区分(消費税の扱いの分類)という項目を選ぶ必要があります。ここが初心者にとっては迷いやすいポイントです。

うちの場合は税理士に確認して、基本の税区分は「対象外」を選ぶ方針にしました。免税事業者は消費税を納める義務がないため、「対象外」で処理するのが基本という考え方です(ただし費目によって異なる場合があります)。

この設定方針は会社の状況や税理士の判断によって違います。「免税事業者だから全部対象外でいい」とは限りません。弥生会計での税区分の使い方は「弥生会計 Nextの使い方・評判|法人1期目が記帳を回した実録レビュー」に書いています。方針は必ず税理士に確認してから決めてください。

まとめ:消費税・インボイスは必ず税理士に確認する

① 1期目は原則免税 基準期間がないため 例外あり・要確認 ② 判断軸は取引先 BtoB→登録検討 BtoC→急がないケースも ③ 必ず税理士に確認 自己判断で決めない 状況次第で判断が変わる

1期目の消費税・インボイスのポイントをまとめます。

  • 法人1期目は基準期間がないため原則免税になりやすい:ただし資本金1,000万円以上など例外があるため、設立時に税理士に確認する
  • インボイス登録の判断軸は「取引先が誰か」:BtoB中心なら登録を検討、BtoC中心なら急がないケースが多い。ただし自己判断しない
  • 弥生会計の税区分も税理士確認が必要:うちは基本「対象外」だが、費目次第で変わる

消費税とインボイスは、判断を間違えると後から修正が大変です。設立直後に税理士に相談して「うちの状況ではどう判断するか」を確認しておくことをおすすめします。

弥生会計 Nextの全体的な使い方は「弥生会計 Nextの使い方・評判|法人1期目が記帳を回した実録レビュー」に、経理全体の流れは「合同会社1期目の経理のやり方|実際にやっていること全部」にまとめています。

なお、この記事は私個人の実体験であり、税務アドバイスではありません。消費税・インボイスの取り扱いは会社の規模・事業内容・設立状況によって異なります。実際の判断は必ず担当の税理士に確認してください。

執筆:モグラ(合同会社ユーノア代表)
2025年1月から企業のAmazon物販の立ち上げ・運営に従事し、営業利益ベースで月50〜60万円の規模まで成長(継続中)。現在は自社でも合同会社を設立し、物販事業を運営。

← ブログ一覧へ戻る